『公的融資』で資金調達する前に覚悟しておきたい難しいポイント

公的融資は数千万円単位の資金を超低金利で借入できるメリットがあるが、デメリットもあるので知っておいてほしい。担保や保証人が必要で、団体加盟条件など申込基準が厳しく審査にも時間がかかるため、検討するが断念してしまうケースが目立っている。

公的融資

公的融資で使用する通帳2つ

公的融資と言えば、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫の2社が代表格である。
数千万円単位のまとまった資金を低金利で借入でき、創業融資制度の用意もあるので中小企業から人気の高い資金調達法である。

事業のスタートアップ融資や、新事業への投資など将来性のある事業投資を目的であれば公的融資はオススメである。
ただし、事業計画書の内容は高い質を求められ、厳しい審査が行われている。
銀行融資に比べても審査はさらにシビアで時間のかかる傾向にある。

運転資金がショートした場面で活用できるようなプランを用意していることもあるが、スピードや確実性を求められる状況で公的融資に頼りきろうとするのは返って状況を悪化させる危険性もある。

手軽に活用できるものではない

公的融資を利用する経営者は、審査を何度も受けて事業計画書を作り直すか、資金調達をサポートするコンサル会社を利用していることが多い。
公的機関なので、受付は事務的で対応は機械的感じることもあるかもしれない。書面等で融資不可の返答が来るため、自分自身で何がダメだったのか判断することも難しく、手間暇かけた結果断念することも多い。

資金調達コンサルを介することで利用できる可能性は高まるが、高額なコンサル料を取られてしまえば公的融資を利用するメリットが半減してしまい、本末転倒となる。
銀行融資、ビジネスローン、ファクタリングのように、一定の基準を満たせば言われた書類を提出するだけで誰でも利用できるサービスではないことを覚えておこう。

私も建設会社を起業するときに創業融資を利用できないか模索してみたが、難しいことが多く結局必要な設備は中古で揃えるなど開業資金を節約する方向で妥協した。
いつになったら資金調達できるのか分からないので、大きな法人のバッグアップなどで起業する場合を除いて難しいと感じた。

審査時間はどのくらい?

日本政策金融公庫の場合、初めて利用する場合は面談をしないといけない。書類提出と面談が終わってから審査回答があるまで最短で10日ほどかかる。
10日はあくまでも最短時間で、審査が通るかギリギリのラインだった場合はもちろん、混雑していたことを理由に問題点の一切ないケースでも長期間待たされることがある。

審査時間をしめす時計

民間のサービスとは違い、少しでも早く良い回答をしようといった考え方を持っておらず、申込に対して先着順で1件ずつ時間をかけて審査していくイメージだ。

なお、2回目以降は審査が簡略化され、1週間から10日ほどで審査回答を受けられるようになる。
最後の借入から3年経過すると、新規と同じ扱いで再度時間のかかる審査を受けないといけないので、日本政策金融公庫との付き合いを残すために、定期的に無意味な借入を行う経営者もいる。

新規独立開業野場合は事業計画書を提出しないといけないので、申込をするまでに時間がかかる。
このほかにもテナントや固定資産税の書類など、手元にないと再発行に時間がかかる書類が多数あるので、ゼロから独自に申込をする場合は最短でも1ヶ月前後の時間を見ておくとよいだろう。

担保有りなら利用する価値あり

公的融資は担保なしと不動産を中心にした担保融資の2種類を扱っている。
当然、事業所や自宅などで不動産を担保にできると融資を受けるための難易度が大幅に下がる。
金融機関の不動産担保ローンのような評価額の範囲内といったシビアなものではなく、担保を入れること自体に評価をしてくれる面がある。
土地を所有している会社や起業家にはオススメできるが、事業に失敗した時には担保を差し押さえられてしまうので注意が必要だ。

保証人が必要

一部の小口融資(日本政策金融公庫の女性限定)などは保証人なしで利用できるが、基本的に保証人を立てることが条件になる。
保証人は社長(経営者)のみで認められることも多いが、事業に失敗した時は会社を畳むだけの問題では済まない。
公的融資に興味を持つが、家族からの同意も含めて保証人の問題をクリアできない理由で断念するケースも多い。

商工組合中央金庫

商工組合中央金庫は、指定されている組合の団体員になっていることが融資条件となっている。
業種によっては対象の組合や団体が存在しないし、団体に属すると会費や会合など面倒なことも多い。団体へ加盟すると銀行融資より審査に通りやすくなるが、確実な融資をしてくれる保証はない。
すでに指定団体に加盟していて利用できる状況であればいいが、資金調達目的で団体へ加盟する行為はオススメできない。