銀行の付き合い方指南-上手な会社が実践していることとは

銀行は「コネ融資」が禁止しているが、上手な付き合い方をしていればビジネス面であらゆるメリットがあるだろう。良好な関係を持ちたいのであれば、まず好かれることよりも、嫌われないことに注意して意識したほうが良いのだ。

銀行との上手な付き合い方

銀行の看板

銀行は基本的に「コネ融資」を行わない。しかし銀行とうまく付き合っていくことは、ビジネス面でもあらゆるメリットがある。
矛盾に聞こえるかもしれないが、銀行とのコネや人脈は融資に好影響を与える。逆に付き合い方を間違っていると融資において不利になるのだ。
これは決裁とは直接関係しない部分のことで、そこまでのプロセスにおいてのあらゆる面での話だ。
「コネ」とは違う、銀行との上手な付き合い方をレクチャーしていく。

銀行は民間の営利企業である

銀行の仕事は“商売”だ。自分たちの利益のために働く営利企業なのだ。
したがって金の匂いのする方に寄っていく(そもそも金を扱ってる職業なのだが…)。要するに儲けさせてくれそうな相手を好むということだ。ボランティアではないので利益にならないことはやらない。

銀行の収入の主軸となっているのは金貸し業務だ。
人々から「預金」で集めた金を、金が必要な人間に金利をつけて貸し付け、その利息と手数料で儲けている。当然、少額よりも高い金額の取引のほうが儲かる。しかし、取扱い金額が高くなればリスクも増大するので厳しい審査を行うのだ。
「銀行は貸してくれない」というイメージがあるが、銀行の本音は「金を貸したい」なのだ。リスクなく確実に利益を得られる相手に融資をして儲けることが銀行の商法だ。

それでは消費者金融と違いがないのだが、銀行は貯金業務があるし保険や国債、為替、投資信託の業務も行っている。
近年は経済の不安定や不景気により不良債権のリスクが高まっているため、金貸業務からこれらの別業務にウエイトを置いてきているが、それでもやはり収益のメインは融資なのである。

これを踏まえて話をすると、銀行は貸し手であり有利な立場であることは間違いないのだが、そもそも貸さなければ商売が成り立たない。
我々は「客」であり、銀行は「ホスト」であるということも少なくとも認識しておこう。殿様と取引するわけではないのだ。
金策に困り融資を渇望するあまり下てに出過ぎると、足元を見られるだけでなく、経営の緊迫性を過剰に印象づけてしまい銀行も融資に消極的になってしまうおそれがある。
そうした状況であっても“銀行と最良のビジネスパートナー関係を築きたい”くらいの意識を持って接したほうがよいのだ。

好かれることよりも、嫌われないことを意識

仲良く手をつなぐ人々

銀行と上手に付き合うための近道は、銀行に好かれる努力をするのではなく、嫌われる行為をしないことだ。
銀行は相手をチェックする際、ネガティブな部分(リスク要因)を探ることに重点を置く傾向がある。
業績は良いのだが、素行や会社体質に問題があれば融資を躊躇する。組織環境や経営理念が素晴らしく良くても業績が悪ければ融資はしないだろう。
銀行が嫌う会社のタイプをまとめてみよう。

嘘をつく会社

銀行が最も嫌うのが、顧客に嘘をつかれることです。
融資審査では嘘をついても必ずバレる。騙そうとしていた事実が判明すれば、いくら業績が良くても融資はおりない。銀行にとって嘘は重大な罪なのだ。これは融資審査の場合に限ったことではない。
普段の付き合いの上で、たとえ小さなことでも嘘をつくことは禁物だ。友好的な関係において、ごまかしや見栄っ張りは不要だ。

簡単に取引銀行を乗り換える会社

銀行との取引において重要なキーワードは「信用」だ。信用は積み重ねで得ていくものであり、長く付き合っていくことで優良顧客と認めてもらえるのだ。
たとえ他の銀行の方が金利が安いからといって、一方的に取引を切ってはいけない。

また、銀行は家電量販店などではない。「他社の方が安かったから~」などと値切る行為もよろしくない。もし銀行側から聞かれたら「〇〇銀行から○%で打診を受けている」と正直に答えればよい。そして「しかし、どうしても貴社と取引をしたいので断った」とも言われれば好感を持って当たり前だ。

今後の展望が明確に画けてない会社

銀行は事業計画が不透明な会社には絶対に融資をしない。第3者どころか本人すらが展望や経営計画が見えていない相手に金を貸すことは愚行でしかない。

会社資金に困ったときだけしか利用しない会社

困った時の資金調達でしか利用しない会社は、銀行にとっても“ただそれだけの顧客”という存在になってしまう。経営者の個人口座としても利用したり、定期貯金を預けるなど日常的に付き合っていくことが大切だ。

経営者や幹部の素行が悪い会社

経営者や幹部に問題のある会社とは、たとえ銀行でなくても取引はしたくない。犯罪行為はもってのほか。
社会貢献活動や商工会などとの健全な交流を積極的に行おう。

態度が悪い

経営者だからではなく、人としての資質の問題。

活気のない会社

活気のない会社は業績も比例して元気のないケースが多い。意外に重視されているのが社員の電話対応のトーン。それだけでも会社の活性度が見えてくるとのことだ。

中小企業や衰退産業

中小企業にとってこれはどうしようにもないことなのだが、これが実情だ。資金調達の際は他の手段を活用した方が賢明だと言われている。
しかし必ずしも嫌われるのではなく、あくまで融資の審査で不利だという話だ。日頃から長く親しい付き合いをしていれば、銀行側から融資の打診をしてくることも珍しくない。また、明確な事業計画や効果的なコストカットへの取り組みをアピールできれば中小企業としてのハンデはカバーできるはずだ。

銀行と良好な関係を築き、末永く付き合っていくことは、会社経営するにあたってメリットしかない。
地域や銀行によってカラーも異なり、接し方も臨機応変で対応する必要があるが、少なくとも今回取り上げた“銀行が嫌うポイント”は基本的なことであり、条件を問わず実践できるはずだ。

また、プライベートに近い付き合いがあるのならば、普段の関わりの中でも「約束は守ること」「きちんとした金遣いをすること」を心がけよう。
思いがけない小さな失敗が、その後に大きく影響してしまうこともあるのだ。