運送業の業界事情から見えてくるファクタリングの需要

運送業は季節によって変わる仕事量、高速代や事故・故障の出費、新しいトラックの代替費用など様々な要因でキャッシュフローが安定しない側面を持っている。運営コストが高い割に薄利多売を求められる特性からファクタリングの需要が大きい業種であると言える。

運送業

運送業で使われるトラック

運送業はドライバーの低賃金が問題視されている業界である。
一部で会社が大きな利益を出していることもあるが、大半のケースは過熱する価格競争の影響で、会社もギリギリの自転車創業をしているケースが多い。
昨今はガソリン代の高騰や高速道路料金の値上げも大きな負担になってきている。

運送業界の会社経営においては、人件費、ガソリン代、高速道路料金、トラック(車両)の購入費用や維持費などが非常に大きく圧し掛かってくるのだ。
薄利多売を求められる業界にも関わらず、事故や故障で突発的な出費が発生することも多い。
さらに業務量やドライバーの給料(残業代含む)も季節によって変わってくるので、大きな問題が起こらなくても運転資金がショートしてしまうケースも珍しくない。

運送業の主な活用事例

季節による業務量の変動に対応

運送業の繁忙期は年末や年度末、お盆などだ。
繁忙期は仕事量が増えるし業界全体が忙しくなるため道路渋滞も増える。
結果的に人件費、ガソリン代、高速代などのコストが膨れ上がる。

安定した受注先を確保していても季節に応じて売上の変動が大きいため、繁忙期の運転コストを調達する目的でファクタリングを活用するケースが多い。
繁忙期は元請会社も多くの仕事をこなすのに切羽詰まった状態にある。繁忙期に仕事のキャパを増やせないのは運送業界では命取りになりかねない。
運送会社によっては忙しくなる時期は事前にファクタリングをして現金を潤沢にしておくケースもよく見られる。

事故、故障、突発的な代替
高速道路を走るトラック

トラックの任意保険は非常に高額で車両保険を含めたフルカバーで加入している運送会社は少ない。
事故が起こった時でも、必要に応じて相手への賠償を含めて保険を使わない方が長期的に見てお得になるケースも多い。
毎日長い距離と時間を走っているので、故障リスクも高く突発的な出費が起こりやすい業種であるのも特徴だ。

運送業においてトラックは重要な商売道具で、事故や故障による修理や代替の対応が遅れると、大きな機会損失が発生する。
こなせる業務量が一時的に減ってしまうと元請会社からの信頼がなくなったり、他の業者に仕事を取られてしまう。

何かあった時でも、すぐに修理や代替をして稼働できるトラックを確保することが大切だ。
オートローンや事業融資で資金調達することができても、審査や手続きに時間を取られるのであればファクタリングを活用した方が機会損失の回避や取引先からの信頼アップに貢献できる。

計画的な代替は借入、突発的な出費はファクタリングと使い分けている経営者が多い。

ベタと高速の使い分け

運送業界では一般道を走ることを「ベタ」と呼ぶ。
大型トラックは高速道路料金が高く、東京-大阪間の場合、片道で約2万円の高速代がかかる。
運送会社によっては時短で削減できる人件費よりも高速代の方が高いため、基本はベタにしている会社もある。

しかしベタは時間がかかるので、稼働できる範囲が狭くなるというデメリットがある。
閑散期はベタ、繁忙期は高速と使い分けている運送会社も多く、高速の利用有無で運営コストが大きく変わるため、出費の嵩む時期に合わせてファクタリングを利用する、という会社も多い。

融資や借入を受けられない中でのトラック購入

10トントラックの箱車の場合、購入費用は1,500~2,000万円である。
大きな負担になるが大規模な修理になると100万円以上かかってしまうことも珍しくない。
トラックも燃費が向上しているので、古いトラックを使い続けて高額な修理代とガソリン代の負担をするなら、新車や程度の良い中古車に代替した方が長期的なコストカットに繋がる。

ローンや銀行融資で資金調達するのが理想だが、審査に通らない場合はファクタリングをしてでもトラックを新しくした方が利益に繋がることもある。
また、代替時の借入審査を有利にするためにファクタリングを活用してキャッシュフロー表を一時的に良く見せる、という目的で利用されるケースもあるようだ。

3社間ファクタリングの需要も高い

運送業の提供するサービス内容はどこの会社も大差がない。
重要なのは安さと決められた納期を守れることだ。
財務状況の悪い中小企業と付き合いを持つことに抵抗を持たない経営者が多く、もし取引先が破綻しても、すぐに変わりの取引先を見つけられると楽観的に考えている元請会社も多い。

取引先と金額を詰め合わせる運送業者

また、元請会社は下請けに対して、薄利で仕事を請けてもらっているのを理解している。
こうした業界事業から運送業はファクタリングに理解を示す元請会社が多く、ファクタリング対応で手を挙げてくれる下請が増えたり、単価を下げられるのであればファクタリングへの対応をアピールしている会社もある。

ただし、古い考えを持っている老舗業者の中には、ファクタリングのことを知らなかったり面倒な手続きを嫌がる経営者もいる。

全体的に3社間ファクタリングの打診をしやすい業種ではあるが、取引先の価値観や考え方を見極める必要がある。
運送業で実績豊富なファクタリング会社は、取引先が3社間ファクタリングを他社と行っている実績に関する情報を提供してくれるので、そういった事前情報に頼ることも大事だ。